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PIANO Premierの作り方(移植の手引き)

ユーザビリティのため個人利用に限り他サンプラーへの移植を許可しておりますが、PIANO Premierは大規模で複雑なプログラムです。PIANO Premierの移植は到底オススメ出来るものではありませんが、どうしても自分のサンプラーで使いたい!という気合いと根性と時間のある方へ、移植マニュアルを公開します。

自分用のメモとして書きなぐったものを適当に修正したものですので、読みにくい部分もあるかと思います。サポート対象外ではありますが、少しの助けとなれば幸いです。

【グループ】

便宜上、大きく分けて11グループに分けて考えます。

Low Key
Low Key Soft

High Key

Pedal OFF
Pedal OFF Soft

Release
Release Soft
Release High Key

Pedal ON
Pedal ON Soft

Damper


大枠としては、全鍵盤を3分割し、低音部をLow Key、高音部をHigh Keyとし、中間部に対してPedal ONとOFFのレイヤーを組んでいます。

そして低域と中域にはそれぞれSoftグループがあり、中域はペダルON/OFFそれぞれにSoftグループを持っています。Softグループとは、一つのオーディオファイルを使ってフィルターワークで階調表現するレイヤーです。Softグループ以外は、ミドルタッチから最強タッチまでマルチレイヤーで複数のベロシティにサンプルを割り当てます。

High KeyにはSoftグループはありません。理由は高音部はベロシティによる音色差が少なく、使用サンプル数がもともと少ないのと、高音部の弱いタッチの音色再現はフィルターだけでは難しいと判断したためです。一番弱い音までマルチサンプルで行きます。

ここまではNote ONで発音するグループです。Note OFFで発音するグループは、Release、Release Soft、High Key Releaseの3つがあり、Note Onと同様にこれらで全鍵盤、全ベロシティを覆います。結果、どこの鍵盤をどの強さでタッチしても必ずいずれかのリリースノイズが発音します。

ReleaseにもSoftグループがあります。

Softグループに限り、ベロシティに合わせてフィルターとアンプをモジュレートさせ、弱いタッチから最弱タッチを疑似再現するプログラムを組みます。


NOTE ON (Pedal Off) map


NOTE ON (Pedal On) map


NOTE Off map

High Keyと中間KeyはD#5,E5を堺に分けて考えます。その理由は、High Key部は他とは違い、サンプルトリガーがOne Shot設定となります。またHigh Keyのリリースノイズは基本的にはわずかな「コツン」という木製の帰り音が鳴るだけなので、全鍵録音はしましたが皆ほとんど同じ音なので、Rf68,Rf69,Rf70の3つのファイルを皆で共有します。また、どんな強さで叩いても指を離した時に帰ってくる木の音量レベルはほぼ一定なので、ベロシティ1~127まで同じサンプルファイルでOKです。(3つのファイルはなるべくランダムに聞こえるように配置します)

さて、いよいよ複雑なエリアに入って行きます。PIANO Premierのプログラムが複雑化している要因はペダルの概念のためです。

全てのReleaseプログラムはサステインペダルオフ、つまりcc64が0~64で設定します。これによりペダルを踏んでいるのにバタバタとリリースノイズが鳴るのを防ぎます。

対してPedal Onの二つのグループはcc64が65~127の時のみの発音し、Pedal Offの二つのグループはcc64が0~64で設定します。この設定により、演奏者のペダル情報で再生サンプルが切り替わります。低音部と高音部はペダルによるサンプル分けを行っていないので、この設定はしません。

Low Key SoftとPedal OFF SoftはE1, F1で隣り合わせていますが、大きな違いはPedal OFF側はcc64が0~64の設定があり、Low Key側にはペダル設定がありません。

 

【サンプル】

全てのサンプリングオーディオデータは、96khz/24bitのWAVステレオファイルです。またノートON時のサンプルは、基本的に白鍵部を全て実録音でカバーし、黒鍵は隣接Keyのサンプルのコピーを使用しデータの非現実的な巨大化を防いでいます。ルート音+半音上をカバーさせます。

ノートOFFのサンプルはA-1から半音単位で用意しており、各Keyの個性を残しています。High Key以外は全Keyに割り当てられます。High Keyは上記の通り、木の帰り音をばらして割り当てます。

各サンプルファイルがどのグループに属するかは、ファイル名でおよそ判断出来るようになっています。また大きくはフォルダで別れています。

NevePiano67_2sA_01.wav

ペダルオンのファイルには、ポジションを現す文字列の間にsustain pedalの"s"文字を追加しています。ベロシティは数の小さい方からだんだんと強くなります。

NevePiano67_Rp_01.wav
NevePiano67_Rf_01.wav
NevePiano67_Rff_01.wav

リリースは p < f < ffの順で強くなります。

ちなみに、サンプルのネーミングは全て1オクターブ上の名前がついています。最低音はA-1に割り当てますがファイル名はA0です。1オクターブ上で作り上げて、最終的に全部1オクターブ下げると分かりやすいかもしれません。

 

【ノイズ対策】

ピアノのようなマルチサンプルは、8音、16音、32音とペダルを踏みながら弾きまくると同時に数十音が発音します。そして1音だけ鳴っている時は全く問題なくても、1音1音に含まれるわずかな空気ノイズが数十倍となり目立ってしまう宿命があります。

フィルターを使って弱いタッチをうまく再現しているのがPIANO Premierのひとつの特徴と言えますが、通常、フィルターは多数の鍵盤が同時に鳴った時のS/N比対策に使います。ところがフィルターが一つしか搭載されていないサンプラーの場合、どうやってS/N対策をするかが肝になります。

以上が大枠の考え方です。ここから先は、サンプラーによって対応が変わってきます。Ver.1.5からは何もしなくてもほとんど問題はありませんが、多少意識してあげると最高のパフォーマンスを発揮すると思います。

Kontaktの場合は、リリースノイズの発音数を制限し、フィルター設定のないSoft グループ以外に対してノイズフィルターを使用しています。exsはリリースノイズ発音数の制限とともに、1Keyにつき3発音に制限し同じKeyの連打によるノイズ増殖を抑えています。サンプラーの機能の制約と相談しながら、試行錯誤していきます。

 


 

Kontaktを例に個別に見て行きます。

【詳細設定】

全てのグループに共通する、ボリュームのグループ設定はゼロ、DFD(Direct From Disk)設定である事を確認します。
微妙な設定の違いでサウンドの質感が大きく変化します。いろいろ試してみて下さい。

Low Key

リリース以外、Amp ADSRでレベル制御は行いません。つまりAttack0、Decay100%、Sustain100%で、録音された音をそのまま鳴らします。Releaseはゼロではなく、189.2msに設定しReleaseトリガーサンプルとのつながりをスムーズにします。

フィルターをノイズフィルターとして使用します。
CutOff 2.5khz、Attack0、Decay5.8kms、Sustain-100%、Release1.1kms
アタックの瞬間はフィルター全開で、直後から緩やかにフィルターを閉じていき、最終的に2.5khzまで閉じる設定です。

トラッキング(Keyによるピッチ変化)はONで、ペダル関連の設定はOFFです。

Low Key Soft

Amp ADSRは上記Low Keyと同様ですがReleaseを134msと若干短くしています。またSoftグループに限り、ベロシティによってボリュームを変動させます。Kontaktでは25.8という数値になっています。この数値は隣接するPedal OFFグループの一番弱いタッチと比較しながら決めます。Low Keyの方が若干、一番弱いサンプルが強めなので、Pedal OFF Softよりもこの数値は大きめに設定します。

Softグループは、フィルターで弱いタッチを再現するためノイズフィルターとしては使いません。
CutOff 506.6hzでFilter ADSRは使わず、ベロシティ100%、Key Positionは5.3という数値で、低いポジションのKEYほど暗めにオフセットされます。

一番弱いタッチで適正になるまで暗くして、ベロシティが上がるほどに明るくなり、次のサンプルに切り替わる直前にフィルター全開になるのが理想です。

トラッキングはONで、ペダル関連の設定はOFFです。

 

High Key

Amp ADSRは使いません。全てOne Shot設定です。フィルターをノイズフィルター替わりに使います。
Cut Off 3.5khz、Attack 0、Decay 4.8kms、Sustain -100%、Release 1.1kmsです。

トラッキングはONで、ペダル関連の設定はOFFです。

 

Pedal OFF

cc#64 0~64に設定し、ペダル切り替えに対応します。
Amp ADSRはリリース以外制御しません。リリースは160msです。この辺はスタッカートを聞きながら耳で決定します。

フィルターをノイズフィルターとして使用します。
CutOff 2.5khz Attack 0、Decay 5.8kms、Sustain -100%、Release 1.1kmsです。

トラッキングはONです。

 

Pedal OFF Soft

cc#64 0~64に設定し、ペダル切り替えに対応します。
Amp ADSRは、例によってReleaseのみ、119.7msです。

ベロシティ→ボリュームのモジュレーションは4.2に設定していて、隣接のLow Key Softに対して小さい数値となっています。つまり、弱いタッチでもそれほど音が小さくならない設定です。

フィルターで弱いタッチを再現します。
CutOff 659.2hz、ベロシティ100%、Key Position 6.3です。一番弱いタッチで一番暗くなるポイントで適正値を探ります。

トラッキングはONです。

 

Pedal ON

ペダル設定はcc#64 65~127とします。
Amp ADSRはリリースのみで、189.2です。ペダルオンの場合、リリースノイズは再生されないので、ここの切れ目が音の切れ目になります。少し長めにとります。

フィルターでノイズを緩和します。
CutOff 2.5khz、A0、D5.8kms、S-100%、R1.1kmsです。

多数のKeyが同時に発音する可能性の、最も高いグループなので、ここのノイズ設定が重要になります。可能であれば、各Keyにつき3音という制限をつけるのも手です。(1音に制限してしまうと、連打した時にベロシティによっては不自然なサウンドになる事がありますので、3音程度がベターです。)

トラッキングはONです。

 

Pedal ON Soft

上記と同様に、ペダル設定はcc#64 65~127。
Amp ADSRもリリース189.2です。

違いはフィルターで、ノイズカットではなく弱いタッチに使います。
CutOff 528.7hz、Key Position 6.5、ベロシティ100%です。

アンプのベロシティ→ボリュームは7.5です。
トラッキングはONです。

 

Release

cc#64 0~64に設定し、ペダルオン時は打ち消します。

今までと最大の違いは、リリーストリガーを設定します。5720msという設定になっていて、ノートオンカウンターを100%入れます。要するに、ノートオン直後にノートオフしたら最大レベルで、しばらくして離したら小さい音で帰ってきて、十分に待つとリリーストリガーが消えるという、減衰音量に合わせてリリース音も連動して小さくなる設定を作ります。

ここでもノイズ対策としてフィルターを使います。
CutOff 3.0khz、A0、D1.0kms、S-100%、R1.1kmsです。リリースノイズはもともとディケイが短いので、比較的速く曇らせる設定です。

さらにノイズ対策のため、最大同時発音を8程度に制限しています。もう少し減らしてもほとんど支障は出ないと思われます。

ここにきて、トラッキングはOFFです。

 

Release Soft

上記に従い、cc#64 0~64で、5720msのリリーストリガーを入れ、ノートオンカウンターを100%です。

ソフトグループなのでフィルターとアンプで弱いタッチを再現します。

ベロシティ→ボリュームのモジュレーションは7.7。
フィルター設定は
CutOff 708.7hz、Key Position 5.3、ベロシティ100%です。

ノイズ対策のため、最大同時発音を5程度に制限しています。こちらはより小さなリリースノイズのため、少なめにしても問題になりません。

フィルターはノイズ対策に使えないので、このグループに限りAmp ADSRでレベル自体を減衰させてSNを稼ぐ努力をしています。
A0 D4.0kms S-100% R0ms?

こちらもトラッキングはOFFです。

 

Release High Key

cc#64 0~64で、5720msのリリーストリガーを入れまでは同じです。ノートオンカウンターは入れないので注意が必要です。ここではいくら長く鍵盤を押していても、手を離せば必ず鳴るリリース音です。

同時発音を3にしています。皆、同じ木製打音が鳴るだけなので、同じ音が多数重なっても仕方ないので、3としました。

ボリュームにはなんの操作もしません。
フィルターでノイズ対策だけやります。
CutOff 4.5khz、A0 D452.5ms S-100% R1.1kmsです。早く、少なく閉じる設定です。

ここもトラッキングはOFFにしなければなりません。

 

Damper

これはおまけです。F-1とG-1にダンパー帰り音を割り当てています。将来的にサステインペダルOFFでサンプルをトリガー出来るシステムがあれば、この音を使います。

特に設定はありません。トラッキングOFFです。設定しなくてもよいかと思います。

 

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ちなみにここまでのアンプとフィルターのADSRモジュールへの送り量は、いずれも100%です。

 

お疲れさまでした!
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ichiro

 





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